Fieldworkers's Diary

連れ出しスナックで愛を探す:温泉街の夜のひととき⑧

内容はすべてフィクションです。情報はその当時のもので最新ではありません。

Mのおかげで意気消沈かつ自信喪失、しかも二日酔いという最悪の目覚めだった。さらに彼女は私の部屋に忘れ物をしていたので、連絡を取りたくないのに取らざるを得ない状況だった。メッセージを送ったが、すぐに既読にはならなかった。多分、酔いつぶれて寝ていたのだろう。

しばらくすると、Aから前日に筆者がMと一緒にいたことを知っているというLINEが来た。口止めしてもどこからか情報が漏れるらしく、昔からの知り合いだと弁解したが、返信は来なくなった。それでも数時間後にAから電話があり、彼女の仕事が終わった後に友達と一緒に食事をしようと誘われた。とりあえず仕事が終わったら連絡してくれと伝えて電話を切った。この日はAを部屋に呼ぼうと考えていたので、いい流れが来ていると思った。Mからも返信があり、忘れ物はタイレストランに預けておいてほしいとのことだったので、了解した旨を返しておいた。昨晩のことはお互い触れずにいた。Mは二日酔いがひどいのでその日は仕事を休むと言っていたので、私にとっては都合がよかった。

夜が更け、スナックが閉店し始める時間になっていたが、Aからは連絡が来ていなかった。仕方なく約束していたタイレストランに向かった。Aの友達はいたが、肝心のAはいなかった。その後Aから連絡があり、泊まりの仕事になったと伝えられた。飲みすぎていたのでもうどうでも良くなっていたが、この日も負け確定となった。結局、深夜3時過ぎまで飲んで解散した。ホテルの広い部屋でまた一人で寝るのかと思うと、うんざりした気分だった。

翌日、Aから「昨日はごめんなさい」と連絡が来た。さらに、どこのホテルに泊まっているかを聞かれたので、部屋に来るかなと期待したが、それ以降は既読スルーとなった。これはまた嫌な流れになるかもしれないと思い、彼女とは縁を切ることを決めた。

その後、Mに連絡した。すぐに返信があったので飲みに誘ったが、「上山田には他にも女がいるよ」とそっけなく言われてしまった。結局、懇願してどうにか約束を取り付けた。

スナックが開店する時刻になったので、Mの店に向かった。店にはママ一人だけで、どうやらMはヘルプで他の店に行っているらしい。少ししたら戻ってくるからと言われ、しばらくママと談笑した。

しばらくして店のドアが開き、ようやくMが来たと思ったら、界隈でよく見るおっさんの来店だった。勘弁してほしいと思いつつ、仕方なく引き続きMを待った。おっさんはカラオケを始め、ママと私の二人だけの観客に歌を披露するという奇妙な世界が出来上がってしまった。そんなこんなでようやくMが戻ってきた。

「酔った」とぼやいていたが、再び店のボトルでハイボールを作り、一緒に飲んだ。「一昨日どうして帰った?」と聞くと、酔いすぎて意地悪したくなったとのことだった。朝起きたとき、記憶が曖昧で私がいなくて驚いたと言っていたので、真剣に悩んだ自分が馬鹿らしくなった。店で1時間ほど飲んだ後、ママが店を早めに閉めることにしたので、二人でタイレストランに向かった。

タイレストランの入り口前でMとキスをした。その時点で今夜はもらったと確信した。レストランで「自分たちの関係性って何だろうか」という話になった。どの関係性もピンと来ない。必ずしも何かしらの関係性にカテゴライズする必要もないと思う。お互い寂しさを埋めたいのかもしれないね。そんな話をしながら焼酎のボトルを空にし、ホテルへ向かった。

ホテルの部屋でストックしていたビールを一口飲んだところで、Mにベッドへ引きずり込まれた。その後はもう流れのまま。「やめて家に帰る?」と聞くとムッとしていたのが可愛らしかった。かなり酔っていたのでなかなか終わることができず、少々難儀だった。さらにMに顔中を舐められ、新たな性癖が目覚めるかと思った。彼女は早朝に帰宅し、私はチェックアウトまでゆっくりした。天気が大変良く、温泉街を散歩しながら昨晩を思い返した。

そういえばAからは結局連絡がなかった。後から聞いた話では、新しい男を見つけたようだった。Aは乗り換え、私は古巣に戻ったということかと思い、Aの連絡先を消した。本当はきちんと関係を終わらせるべきだったかもしれないが、既読スルーされてはどうしようもない。今回でコロナ禍の上山田温泉はかつてとは違うということを思い知らされた。人が入れ替わらない状態で二人を相手にするのは無理があった。